ステーブルコインのテザーが組織再編を発表　データ分野やマイニングにも注力

世界最大の市場価値を誇るステーブルコインのテザー（USDT）を運営するテザー社は、ステーブルコインから多角化するための組織再編を行っている。

4月18日の発表 によれば、ステーブルコインの大手であるテザーは、新しいフレームワークを導入し、テザーデータ、テザーファイナンス、テザーパワー、テザーエデュの4つの新しいビジネス部門を立ち上げた。

新しい部門により、テザーはインフラソリューション、投資、サービスの提供を目指す。

Tether’s four new business divisions. Source: Tether

テザーデータでは、人工知能（AI）やホールパンチ、キート、ピアランタイムなどのピアツーピアプラットフォームを含む技術への戦略的投資に焦点を当てる。

テザーファイナンスは、従来のステーブルコイン製品と金融サービスの中心であり、グローバルな金融システムの民主化を目指すという。

テザーパワーはテザーのマイニングとエネルギー分野のさらなる開発を目指す一方、テザーエデュはデジタル教育とブロックチェーンの地域的および全球的な採用の促進に焦点を当てる。

「私たちは世界初で最も信頼されたステーブルコインで伝統的な金融の風景を変革した」とテザーのパオロ・アルドイーノCEOは強調し、「包括的なインフラソリューションの促進、伝統的システムの解体に挑む」と続けた。

「従来のステーブルコイン提供を超えたこの進化により、この世界で可能なことの限界を取り除く最先端技術の構築とサポートに取り組む準備ができている」。

テザーは2014年に設立され、仮想通貨エコシステムの中で最大の企業の1つであり、時価総額および取引高で最大のステーブルコインであるUSDTを運営している。

2024年3月、テザーは時価総額で1000億ドルを記録するという重要な歴史的マイルストーンを達成した。

USDT以外にも、ユーロペッグのテザートークンEURT（EURT）、オフショア中国人民元（CNH₮）、金裏付けのテザーゴールド（XAUt）など、多数のステーブルコインを運営している。

The top three biggest cryptocurrencies by 24-hour trading volume. Source: CoinGecko

テザーの組織再編は、同社がステーブルコインを超えて進むための取り組みの一環である。2023年、同社はビットコイン（BTC）マイニング業界に積極的に参入し、独自のマイニングオペレーションを開始し、専用ソフトウェアを導入した。2024年2月、テザーは教育部門を設立し、ブロックチェーン技術および関連分野のスキル開発のためのコース、ワークショップ、その他のリソースを提供し始めた。

テザーはまたビットコインを積極的に購入しており、2024年3月末に8888BTCを6億1800万ドルで購入した。3月31日現在、テザーは平均価格30,305ドルで購入し、合計7万5354BTCを保有している。